研究課題
本研究は、研究代表者らが視覚、聴覚、側線感覚などの中枢神経回路をすでに明らかとしているキンギョを主な研究対象として、味覚と内臓感覚の神経路を解明することにより、真骨魚類の感覚中枢神経回路の全貌を明らかにすることを目標としている。その土台となるキンギョの脳アトラスの作成も目指している。3年間の実験研究によって、間脳の三次味覚核を経由した味覚が大脳のどこに到達するのかを明らかとするとともに、脳幹の二次味覚核から直接大脳に到達する神経回路が存在することが明らかとなった。今年度はこれらの研究成果をまとめて論文投稿を行いすでに受理されている(雑誌発表は平成24年8月頃の予定)。上記論文では、これまでに研究代表者らが報告してきた、視覚、聴覚、側線感覚、一般体性感覚に加えて、今回明らかとした味覚がキンギョ大脳のどのような領域に「表現されている」のか、すなわち大脳の感覚マップも報告している。内臓感覚系については、今年度は間脳から大脳にいたる経路の調査を継続したが、こちらについてはまだ十分な研究成果を得ていない。一方、間脳の内臓感覚神経核から延髄に下行する経路の詳細を論文として投稿していたが、若干のデータ解析の追加などの手直しを経たのち、学術雑誌に掲載された。キンギョの脳アトラス作成への使用に堪える完成度の高い連続切片が作成できたので、それらの写真撮影を行い現在論文作成中である。またニホンウナギの脳連続切片を作成し、組織構築に関する簡略な解析を実施し学会発表として報告した。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
The Journal of Comparative Neurology
巻: vol.520 ページ: 2474-2499
DOI:10.1002/cne.23049
巻: vol.519 ページ: 3102-3123
DOI:10.1002/cne.22669