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2010 年度 実績報告書

ハマグリの資源管理のための実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580228
研究機関熊本大学

研究代表者

逸見 泰久  熊本大学, 沿岸域環境科学教育研究センター, 教授 (40304985)

キーワード水産学 / 政策研究 / 資源管理 / ブランド化 / 合意形成 / ハマグリ
研究概要

ハマグリMeretrix lusoriaは,日本各地の干潟で最も普通に見られる二枚貝であったが,現在は多くの地域で激減している.日本一の漁獲を誇る熊本県も同様で,漁獲量は最近20年間で約20分の1に減少した.私は,『干潟が健全で乱獲がなければ,ハマグリは砂質干潟の優占種で,その保全は漁業だけでなく,干潟生態系を守る上でも重要である』との考えに基づき,本種の生活史特性の把握,個体数激減の原因解明,さらに,資源回復と管理技術確立に向けた研究を進めている
平成22年度は,資源管理の基礎データとなる稚貝定着・成長・移動分散・寿命および資源量の年変動に関する研究を継続するとともに,干潟漁場や素堀池での飼育実験や浅海での垂下飼育実験を行い,ハマグリ蓄養・養殖技術の確立を目指した.その結果,成長はやや遅いものの,ハマグリは環境の変化に強く,資源管理の効果が大きい二枚貝であることがわかった,ただし,稚貝の着底量には年変動が大きく,安定的に漁獲するには資源管理が不可欠であることも明らかになった.また,干潟漁場・素堀池・浅海での飼育実験におけるハマグリの成長は良好で,出荷調整のための蓄養だけでなく,種苗生産→干潟・素堀池での養殖→浅海での蓄養という『ハマグリの完全養殖』の可能性が強まり,母貝の確保も難しくなっている瀬戸内海などでのハマグリ資源回復の道が開かれた
ただし,資源量の豊かな熊本県では,干潟漁場でのハマグリ採貝が最も効率のいいハマグリ生産方法であることは言うまでもない.しかし,そのためには漁業者間の資源管理に関する合意形成が不可欠である.今後は,平成20年度に作成したハマグリの資源管理に関するリーフレットや著書を活用し,ハマグリの実践的な資源管理のための方策を探りたい

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ハマグリMeretrix lusoriaの粘液糸による移動2011

    • 著者名/発表者名
      高日新也
    • 雑誌名

      日本ベントス学会誌

      巻: 65巻 ページ: 76-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The comparison of shell morphology and genetic relationship between Meretrix lusoria and M.petechialis in Japan and Korea2010

    • 著者名/発表者名
      Torii
    • 雑誌名

      Plankton and Benthos Research

      巻: VOL.5 ページ: 231-241

    • 査読あり
  • [学会発表] ハマグリの粘液糸による移動 蛤は一夜に三里走る2010

    • 著者名/発表者名
      逸見泰久
    • 学会等名
      日本動物学会・日本植物学会・日本生態学会・沖縄生物学会 合同大会
    • 発表場所
      九州産業大学(福岡市)
    • 年月日
      2010-05-23
  • [備考]

    • URL

      http://engan.kumamoto-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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