研究概要 |
平成21年度は,本研究の主要目的の1つである「サンゴの蛍光蛋白質モニタリング装置」の設計・開発を軸に,次の3項目について研究開発を実施した。 1.サンゴの蛍光蛋白質モニタリング装置の設計・開発 2009年4月~7月に装置の設計を行った。同年8月から装置の開発を行い2010年3月に完成した。当初予定していた装置は,単体の部品類を組み合わせたものを想定していた。しかし,設計開発段階で,装置の操作性能をより良くするため,インターバル撮影が可能なデジタルカメラ2台,電源供給用バッテリー,フラッシュライト等をハウジング(耐圧30m)内部に装備した一体型の装置とした。併せて,架台の製作も行った。 2.装置の実海域試験 平成22年度の実海域調査をより潤滑に行うため,石西礁湖において下記の2項目について調査を実施した。 (1)観測定点の選定 これまで海洋研究開発機構が石西礁湖で調査研究を行っている観測点近傍で,水深10m程度,サンゴの豊富な場所等を基準に定点を選定しマーカーを取り付けた。 (2)装備するカメラの試験撮影 フラッシュの強さとシャッタースピードを調整することにより,昼間でもサンゴの蛍光撮影が可能であることを実海域で試験撮影し実証した。画角や映像,設置方法等の調整も併せて行った。なお,装置の製作に時間を要したため,装置を用いた海域試験は次年度当初に行うこととした。 3.試験画像・環境データの解析 (1)試験撮影画像の解析 試験撮影した蛍光画像を用いて,今後行う画像解析の手法構築のための基本的な検討を開始した。この画像解析手法の検討は,次年度上半期まで行う。 (2)過去に得られた現場付近の環境データの解析 選定した観測定点付近の過去の環境データ(漁場環境)の解析を実施し論文(MTS Journal)にまとめた。
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