研究概要 |
魚卵の主要アレルゲンである卵黄タンパク質(β'-c)のアレルゲン解析と交差性調査を行なった。(1)シロザケβ'-c分子のアミノ酸配列上に5カ所のIgEエピトープを見出した。このうち3カ所は,多くの魚類β'-c間でアミノ酸配列が類似した領域に存在していた。これら魚類共通エピトープが,魚卵アレルギーの交差性成立に関与していると思われる。(2)ボラ卵にはシロザケβ'-cとの間でIgE交差性を示す6種類のβ'-cアイソフォームが存在した。(3)性成熟したシロザケの筋肉には1μg/gを超えるβ'-c様タンパク質が存在したので,このような魚肉の摂取が魚卵アレルギーを惹起する可能性がある。
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