研究概要 |
室戸沖水深370メートル以深で取水されたいわゆる海洋深層水(Deep Sea Water : DSW)中の抗動脈硬化作用を誘導する有機画分の分離、同定 1) 生体分子間相互作用解析装置Biacoreを用い、動脈硬化のメディエーターであるcyclo-oxygenase-1(COX-1)とのaffinityの検討 1,500リツトルのDSWをC18 octadesyl filterに通水し抽出した低分子(分子量<1000)有機画分 (C18-Dissolved Organic Matter : C18-DOM)を、COX-1を基質としてセンサーチップ上に固定し、Biacore JおよびBiacore 3000で反応させたところ、C18-DOM中にはアスピリンと同様の強いaffinityを有する画分が存在することが判明した。 2) DSW有機画分の質量分析 Biacore 3000にてCOX-1と反応した分子を溶出し、ESI TOF質量分析装置にて精密質量を測定した。その結果、ポジティブモードにて質量239.0252、327.0060、360,3285、370.9973に強いピークを検出した。同様にネガティブモードでも113.0426、249.0120、421.3354、588.8901にピークを検出した。 3) 有機画分の分子式検索 2)の結果で得られた精密質量より有機画分の分子式検索を行った。ライブラリーより想定される分子式は以前と100の候補を超え、更なる絞込みの検討を要した。
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