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2011 年度 実績報告書

ウナギ血漿を青緑色に着色するビリベルジン結合タンパク質アンギラシアニンの生化学

研究課題

研究課題/領域番号 21580251
研究機関名寄市立大学

研究代表者

安藤 清一  名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (80131986)

キーワードニホンウナギ / ビリベルジン結合タンパク質 / アンギラシアニン / 血漿 / リポタンパク質 / 分離・精製 / 一次構造
研究概要

ウナギ血漿中には胆汁色素であるビリベルジンが存在し、青緑色を呈することは古くからよく知られているが、その実質については不明である。本研究では、これまで生化学的に解明される機会の乏しかった、ウナギ血漿ビリベルジン結合タンパク質(アンギラシアニンと仮称)の構造と機能について明らかにすることを目的とし、本年度はウナギ血漿から分離・精製したアンギラシアニンの部分一次構造の解明を行った。先ず、ウナギ血漿から分離・精製したアンギラシアニンを7.5%SDS-PAGEに供した結果、分子量75,000ダルトンと90,000ダルトンの2つのバンドと数本のスメアなバンドが確認された。昨年までの結果から、SDSを含まない電気泳動ではアンギラシアニンの分子量は75,000ダルトンであったことから、SDS-PAGE上で分離された分子量75,000ダルトンのタンパク質をPVDF膜に転写し、そのN末端アミノ酸配列20残基をプロティンシーケンサーで決定した。得られた配列は、DHHVGHHDALPDRCEGIEFDであった。次いで、アンギラシアニンの内部アミノ酸配列を明らかにするために、SDS-PAGEで分離された分子量75,000ダルトンのバンドを切り出し、リジルエンドペプチダーゼを用いてペプチドマッピングを行った。ペプチドマッピングの結果、アンギラシアニンは30本以上のペプチドピークに分離され、分取が可能であった2つのペプチドのN末端アミノ酸配列を決定した。得られた内部配列はそれぞれDIPHPFとDVFPGIPDHLDAであった。アンギラシアニンのN末端アミノ酸20残基のうちの12残基は、ヨーロピアンシーバスDicentrarchus labraxの温度順化タンパク質WAP65およびナイルティラピアOreochromis niloticusのヘモペキシン様タンパク質と一致していた。また、アンギラシアニンの内部アミノ酸配列12残基のうちの11残基は、クロダイAcanthopagrus schlegeliiの温度順化タンパク質65kDaおよびニジマスOncorhynchus mykissのヘモペキシン様タンパク質と一致していた。ヘモペキシンは血液中の遊離ヘム色素を結合する糖タンパク質であることから、ビリベルジン結合タンパク質であるアンギラシアニンとの相同性が高いことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Isolation and characterization of some novel genes of the apolipoprotein A-I family in Japanese eel, Anguilla japonica2011

    • 著者名/発表者名
      Malay Choudhury
    • 雑誌名

      Central European Journal of Biology

      巻: 6 ページ: 545-557

    • DOI

      DOI:10.2478/s11535-011-0042-8

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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