平成21年度は海外調査では、リヨン農業技術院(ISARA)、クレールモンフェラン農業環境技術研究センター(CEMAGREF)の協力を得て、ドローム県およびピュイドーム県における有機農業をはじめとした環境低付加型の農業振興の課題と組織体制、人材の配置に関する調査・ヒアリングを実施した。とりわけ、有機農業の振興体制は有機農業者が組織する非営利社団や有機農産物や安全性の高い地場産農産物を求める消費者が組織する非営利社団に加えて、慣行農業団体内に配置される有機農業の推進普及を担う人材や地方団体における有機農業振興担当者らが、重層的なネットワークを形成していることがわかった。 他方、国内調査では宮城県丸森町H地区において、指定管理者制度に基づき地域住民が組織する管理組合が主体となって、観光施設(滞在型市民農園)の管理運営を行う事例をとりあげ、管理運営の実態や組織体制、人材の配置に関する課題について調査・ヒアリングを行った。町内各地区で設置された自治運営協議会を媒介に進めている近隣自治の構築プロセスにおいて、指定管理者制度のあり方や管理運営する施設の特性から吟味する必要がわかった。
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