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平成23年度はストラスブール大学にて開催されたフランス農業経済学会および/有機農業振興合同技術ネットワークの共催シンポジウム(共通論題「有機農業の横断性」)において、「日本の有機農業は離陸できるか-地域と結びついた発展の課題」の報告を行った。平成22年度に行ったセミナー「農業がもたらす環境サービスのガバナンス～有機農業を素材とした国際比較～」では、有機農業をはじめ、農薬、化学肥料の使用を避ける農法の普及には、農業者の関心喚起に加えて、川上・川下の各事業者のネットワーク、各種地域アクターのネットワークの同時展開の重要性について議論された。これを踏まえ、ストラスブールにおける報告では、我が国の稲作に見る有機農業の展開の可能性として、基礎自治体レベルに設置される協議会や集落営農などの近隣集団を媒介とした技術普及の課題について明示した。
有機農業の推進と発展から生まれる多様な地域のネットワークとイノベーションは、有機農業者間や有機農業・食品業界のネットワークにとどまらず、地場の有機食材利用、地域環境保全、社会的弱者に対する農を通じた就労機会の提供など、公共セクターと市民社会のネットワークの構築に及ぶ点で、横断的な近隣システムの構築に寄与することがわかった。
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