今年度は、農業経営簿記の記帳データを持ち寄って生産費分析を行っているグループと、地域振興のために伝統のな山羊飼養の再普及のためにイベントを企画してそのための山羊改良に取り組んでいるグループに、聞き取りによる予備調査を行った。 生産費分析を行っているグループからはデータの提供を受け、その実績の検証も行った。その結果、資材価格が高騰する中で生産費の上昇を抑えていること、グループのメンバー間でのバラツキが小さくなっていることが確認できた。その上での聞き取りから、データを基にした議論から情報を共有することが、生産費に対する意識ばかりでなく、経営管理全体から農政にまで関心が高まっていることを確認できた。 山羊の改良に取り組んでいるグループに対する調査から分かったことは、以下の通りである。沖縄県内には同じように改良に取り組んでいるグループがいくつかあり、改良に重要な品種の情報については、グループ間での情報交流が重要な役割を持っていた。 以上のように、グループ内での情報共有による組織学習と、グループを超えた情報交流による知識創造、2つの情報の流れの重要性を確認した。
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