研究概要 |
本年度の研究は,東アジアにおける食料安全保障の地域協力に関し,ASEAN+3(日中韓)で合意され,災害や飢餓・貧困へ対処する東アジア緊急米備蓄(EAERR)を対象として,その備蓄と放出の基本構造を解明した.あわせてEAERR米放出プログラムの実態を,特にフィリピンにおけるティア1・ティア3プログラム,及びラオスPDRにおける貧困削減・飢餓克服PAMEプログラムの実態を,現地フィールド・サイト調査に基づいて究明した.EAERR事務局のタイ,食料不安国のラオス,フィリピン,カンボジア各国の現地調査,及び東アジア・フードセキュリティー研究会を主催し国内外の研究者・実務家を招聘,未解明の米備蓄・放出政策の展開プロセスを検証した.またその研究成果を学会で発表し,論文を公表した.(1)米備蓄の2つの基本タイプ,申告(イアマーク)備蓄と現物備蓄を比較した.(2)備蓄米放出の4つのプログラム(ティア1~3,PAMEプログラム)を解明した.(3)フィリピンのティア3プログラムで日本寄贈米の緊急支援の配送実態を解明した.(4)ラオス・バンキ村PAMEプロジュクトによる現物備蓄米のFFW(Food For Work)手法による水路改修・貯水池土砂除去、また村共同基金,飲料水浄化,教科書配布等,食料確保・貧困削減の成果を解明した。
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