研究課題
本年度の研究は、東アジアにおける食料安全保障の地域協力に関して、ASEAN+3(日中韓)で合意された、各国が情報共有する「ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)」の現状と今後の展望を解明した。1.AFSIS第一フェーズ(03-07年)は、食料情報を担う人的能力を向上させて、主要食料情報ネットワークを確立し、各国が食料安全保障情報を共有化した。2.JICAの二国間協力(線)による拠点国タイにおける人材育成を基点として、AFSISの地域協力(面)による後発国へ伝播させ、情報整備を進めた。3.AFSIS第二フェーズ(08-12年)は、先発国と後発国(カンボジア・ラオス等)をペア化し、「相互技術協力(南南協力)」を本格化して、情報技術移転の伝播力を一層高めた。4.緊急時に食料安全保障の警報を発令する「早期警戒情報(EWI)」、及び各国の食料安全保障水準を分析する「農産物需要見通し(ACO)」を新設し、統計精度を改善した。5.2012年以降のポストAFSISは、各国情報組織が力をつけて、そのネットワーク連合体(NAFSIC)へと発展することが展望される。6.国際アジア共同体学会と連携し、学際的な「東アジア・フード・セキュリティー研究会」を代表として組織し、AFSIS事務局長、次期AFSIS事務局長、農水省統計企画課担当官、タイ・キングモンクット工科大学講師、韓国・漢陽大学准教授等を招聘し、論点と政策実施プロセスを解明した。7.研究成果は、『国際アジア共同体ジャーナル』等学会誌や図書へ公表した。8.なお米国発行の国際学会誌JESEから代表者の関連論文が招待され、また米国編集の世界人名事典「Marquis Who's Who 2011」ヘノミネートされた。
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Journal of Environmental Science and Engineering、USA(招待論文)
巻: No.5, Vol.5 ページ: 626-630
国際アジア共同体ジャーナル
巻: 第2号 ページ: 87-99
開発学研究
巻: 第21巻第1号 ページ: 26-34
農業経営研究
巻: 第48巻第2号 ページ: 161-166
熱帯農業研究
巻: 3/(別2) ページ: 123-124