研究課題
1.米生産調整を存続した場合、廃止した場合、更に廃止と引き換えに直接支払をデカップリング型で実施した場合、不足払い型で実施した場合について、弾力性等に一定の仮定を置いた上で、シミュレーションを行った。その結果、政策選択の適否には、公的資金限界コスト(MCF)が大きく影響することがわかった。徴税コストと歳入・歳出両側面で生ずるデッドウエイトロスから構成されるこの比率は、通常0.7~0.8等の計測値がある。これが小さければ、不足払いによる価格引下げで、輸出も検討してよいが。これが大きければ、財政負担による価格引下げで輸出振興することは適切ではない。現下の財政危機に鑑みれば、MCFは大きいことが予想される。財政支援型輸出振興は適切ではない、との結論が得られた。輸出するにしても、研究開発による自力の競争力強化が基本となろう。2.米生産調整の歴史的経緯や政治的背景等を調査したところ、青刈り面積が概ね未達成予備軍の指標として適切であることがわかった。この市町村別実績については、全国網羅的なデータは残されていないため、特定の市町村につきケーススタディを行った。また、農地流動化が進む過程で、未達成が解消していくことも、複数の市町村担当者から指摘された。米生産調整廃止の場合の米増産については、東日本では大きく、西日本では小さいことがわかった。ただし、その詳細については、一時的に西日本でも増加に転ずる可能性も示唆された。
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The American Agricultural Economics Association 2011 Annual Conference (Pittsburgh), Selected paper
巻: 81 ページ: 1-27