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2010 年度 実績報告書

バングラデシュ農村変容15年-同一村再調査に基づく農村階層構造の変化を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 21580268
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 幸一  京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)

キーワード農村就業構造 / バングラデシュ / 農村階層変動 / 灌漑地下水市場 / 海外出稼ぎ
研究概要

当該年度は、世帯調査以外の調査を積極的に行った。
タンガイル県ドッキンチャムリア村では、灌漑地下水市場に関する調査、小ビジネスを営む村人の詳細な調査、および海外出稼ぎに関する調査の3つである。またボグラ県アエラ村では、灌漑地下水市場に関する調査と農産物生産費調査である。
また、前年にコンピュータ入力した世帯調査のデータ・チェックを行い、かつ当該年度に行った上記の調査データの一部のコンピュータ入力を終えた。
以上のように、当該年度は、多くの補足的調査とデータ整理に時間を使ったが、その過程で重要な事実発見が多くあった。たとえば、ドッキンチャムリア村では、村の経済発展に寄与した要因として、海外出稼ぎの急増、小ビジネス機会の増加とその下請け仕事としての女性・子供向けの内職の就業機会が大きく増加し、そのためにかつての不完全就業状態がほぼ解消し、遊んでいる労働力が消滅したことである。
一方のアエラ村では、灌漑用浅管井戸(STW)がほぼすべての農民の所有物となり、したがって地下水市場がほぼ消滅するに至ったこと、さらに浅管井戸の急増に伴って農地利用も大きく集約化し、三毛作も行われるようになり、その結果、農業労働需要が急増し、労働者世帯の家計経済が大きく上向いたことである。
以上のような事実発見は、過去15~20年くらいのバングラデシュの農村経済発展の典型的な2つの型を示すものであり、意義深いものがある。
最終年度の今年度は、いよいよこれらの成果を発信することに努力を傾ける。

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公開日: 2012-07-19  

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