本年度は次の4点について分析し研究成果を出した。これは次年度以降の調査研究の基礎データをなし、本研究遂行上の重要な意義を持つ。第1に、わが国の食品製造業の展開過程を統計的に整理しその特徴を検討した。(1)全製造業における食品工業の地位(事業所数、従業者数、出荷額)、(2)製造業の業種別出荷額の推移、(3)食品工業の業種別出荷額の推移、(4)食品工業の部門別出荷額の推移、(5)食品工業の部門別構造、(6)食品工業の中小企業(従業者数300人未満)比率の推移、(7)食品工業の品目別原材料費比率の推移、(8)食品工業の品目別資本装備率の推移と特徴、(9)都道府県別産業別製造品出荷額の推移と特徴、(10)製造業の産業別使用総資本事業利益率の変動係数の推移、(11)食品工業の業種別使用総資本事業利益率の変動係数の推移及び(12)食品産業の倒産状況、(13)原料の輸入依存度の推移、(14)食品工業の業種別主要経営指標(収益性、生産性、安定性、成長性)、(15)食品工業の収益動向(増収率、売上高経常利益率、経常増益率)、(16)有形固定資産投資額の推移、(17)食品工業の企業数、従業者数、付加価値、労働生産性、1企業当り従業者数、1企業当り付加価値額の国際比較、(18)食品工業の物価指数、(19)食品工業の広告費等の分析を通して、戦後におけるわが国の食品製造業の展開過程を整理した。第2に、加工食品品目別ハーフィンダール指数と累積生産集中度の分析によって、多様な食品製造業の市場構造を分析し競争構造を検討した。第3に、加工食品の消費構造の変化を検討した。(1)食品工業の業種別輸出入の推移、(2)加工食品の品目別輸入量の推移、(3)加工食品の輸入依存度の推移、(4)加工食品の品目別購入先の推移をみてその特徴を分析した。第4に、九州で100年以上続く清酒製造業、焼酎製造業、麺製造業、野菜漬物製造業などの食品製造業の分布概況調査を行った。
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