研究課題/領域番号 |
21580278
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
新沼 勝利 東京情報大学, 名誉教授 (60078160)
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研究分担者 |
武井 敦夫 東京情報大学, 総合情報学部, 教授 (10245300)
井形 雅代 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (10231127)
大室 健治 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 研究員 (70455301)
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キーワード | 活動基準原価管理 / 活動基準原価計算 / 管理会計 / 営農集団 / 原価管理 / 間接費 / コストドライバー |
研究概要 |
昨年度までの成果を踏まえ、本年度は北海道網走市の営農集団を事例として、効果的な活動基準原価管理(Activity Based Management:ABM)を導入するための活動基準原価計算(Activity Based Costing:ABC)の仕組みの高度化を図った。網走の営農集団は、通常、機械の共同利用を目的とした利用組合とともに、共同畑等において利益追求事業を行う生産組合を内包しており、これらは任意組織であることが多い。しかし、近年、利用組合と生産組合を統合した法人経営体を設立するケースがみられる。 そこで本研究では以上の情勢を踏まえ、まずABCの主対象となる製造間接費額の特定に際して、この両組合における貸借対照表と損益計算書を連結させた上で、勘定科目法と経営者の聞取調査結果に基づいて製造間接費を算出した。次に、この製造間接費を、季節を区分とした次の活動プール毎に集積した。すなわち、3~5月の春は「機械整備」「育苗ハウス整備」「融雪」「育苗」「播種」「種芋植付け」「秋まき小麦の分肥」「ビート移植」であり、6~7月の夏は「中耕・培土」「除草」「病害虫防除」「水管理」、そして8月~11月の秋は「収穫」「緑肥」「秋まき小麦播種」「土壌・土地改良」である。これらの活動プール毎に集積した製造間接費を、活動回数や作業時間等のコストドライバーを用いて各組合員の馬鈴薯、甜菜、小麦、ビール大麦、野菜類の生産物を原価計算単位として配賦した結果、ABCの適用によって各組合員における生産物コスト計算の正確性を高めることに繋がるととともに、活動プールに集積されたコストとその活動量を用いて活動一単位当りの活動コストを算出し、その一単位当り当り活動コストを複数年次間や標準値と比較する等によって効果的なABMが適用できる可能性が示唆された。
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