研究課題/領域番号 |
21580287
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大浦 裕二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究領域, 主任研究員 (80355479)
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研究分担者 |
櫻井 清一 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (60334174)
山本 淳子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究領域, 主任研究員 (00355471)
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キーワード | カット野菜セット / 消費者 / 受容性 / 子育て世代 / 簡便化志向 |
研究概要 |
昨年度までの研究結果および現状の青果物販売方法の実態調査から、カット野菜セットが現在の食生活において消費を増加させる可能性がある1つの商品として位置づけた。さらに、販売実態調査からその特徴を整理するとともに、全国の主要都市の住民を対象としたWEB調査を実施し、消費者受容性についてロジットモデル及び確認的因子分析により明らかにした。 まず、販売実態調査から、カット野菜セットの特徴としては、2~4日の消費期限の設定がされているが、調理時間の短縮及びメニュー提案がされた商品であるといえる。ただし、メニューが偏っていること、販売場所や商品の内容によって価格帯にはばらつきがあり、同じ内容であっても100g当たり単価が様々であることからコストパフォーマンスが分かりにくい商品と考えられる。 つづいて消費者受容性については、まず、消費者の社会的属性と購入の規定要因の関係を検討するために、ロジット分析を行った。その結果、小学校を中心として中高生以下の子供を持つ消費者、フルタイムやパートタイムの有職の消費者では、カット野菜セットを主に購入していることが確認された。さらに、消費者の意識構造について確認的因子分析を行ったところ、購入経験のあるグループは「簡便化志向」が強い消費者層であり、「安全志向」「料理好き志向」「低価格志向」についても同様の傾向は見られるもののその関係は小さく、「簡便化志向」よりも影響は小さい傾向が見られた。 以上の結果から、カット野菜セットの市場性について、現状の顧客に対しては、子供育て世代に対応した栄養および各品目のバランスがとれたメインになる野菜セット(具だくさん味噌汁など)等の開発、一方、新たな顧客層に対しては、料理好きな消費者に対応した高品質(高鮮度、目新しい野菜など)な野菜セットを開発し購入機会を増やすことが必要であることが明らかになった。
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