凝集フロック懸濁液の沈降速度は、固体体積濃度に比例したフロック(個々の粘土粒子が無数に結合した凝集体)の有効体積濃度によって決定されると考えられてきた。しかしながら、フロックは非常に脆弱で、その有効体積は容易に変化し、懸濁液中で広がりを持った構造を示す。そこで、新たに沈降体積から有効体積を決定する手法を提案し、固体体積濃度に比例して有効体積が増加していかないことを見出した。さらに、測定された有効体積を用いることで、有効体積濃度が0.25~0.30の範囲で個々のフロックが結びついてネットワークが形成されることを明らかにした。さらに、沈降速度の解析においてフロック構造の自己相似特性が導入され、有効体積濃度と沈降速度の関係からフラクタル次元が決定され、その値は2.35であった。一方、高い体積濃度で数多くの鉛直流路が形成され、それによって沈降速度が急激に増加した。流路内の流速は計算された粘性流速度の最大値と比較された。
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