栃木県日光市K地区で実施された生態系配慮型圃場整備地区において、2種の淡水魚(スナヤツメ、タモロコ)について事業前と事挙後の環境価値をHEPによって推定した。その結果以下のことが明らかになった。 (1)事業地区全体として事業後に環境価値が低下し、ノーネットロスは達成できていないことが明らかになった。 (2)ミティゲーション対策無しの水路区間では、事業後に環境価値がほぼ半減した。これは水路のコンクリート化、底質変化、水深の低下によることが明らかになった。 (3)ミティゲーション対策有りの水路区間では、事業後も環境価値は変化しなかった。このことから生態系配慮対策の有効性が示された。 (4)環境価値の改善策として、ミティゲーション対策無しの水路区間は水深の確保、底質の改善が、ミティゲーション対策有りの水路区間では植生被度の改善が有効と考えられた。
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