研究課題/領域番号 |
21580295
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津々見 崇 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (40323828)
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研究分担者 |
十代田 朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (70226710)
羽生 冬佳 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40302971)
佐野 浩祥 立教大学, 観光学部, 助教 (50449310)
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キーワード | 農商工連携 / 6次産業化 / 観光人材育成 / 地域づくり人材 / ワイン・ツーリズム |
研究概要 |
前年度までの消費者・自治体アンケートの結果及び文献調査等から集客面で特徴的性格を有する対象地を選定し、現地受入れ側へのインタビュー調査を通じて、(1)長期間GTに取組む自治体においては、どのように取組みを変化させて集客を維持し、また農業・農村の持続性に寄与しているのか、(2)近年新たに取組みを始めた自治体においては、ツーリズム以外の要素へどのように波及することを企図して取組みを設計しているのか、等を考察した。主な対象地は、(1)は大分県宇佐市安心院町・山梨県甲州市、(2)は静岡県富士宮市である。その結果、i)新たな担い手としての外部人材がGTを通じて農村にかかわるためには、農業生産の付随としてGTを捉えるのではなく、GTのための農業活動自体をビジネスと捉えて農業を構築することも必要であること、ii)取組みの変化要因として、取組み開始から長時間経過した後に、GTや農業技術を若い頃より研究した外部人材がキーパーソンとなって、一定の時間をかけて農業者に働きかけること等が農業を高次化させ、ビジネスに結びつける役割を担っていること、が指摘できた。また、iii)外部人材のポテンシャルとしては、加工技術や経営コンサルティング等の農業以外の技術を外部から持参し(Uターン等も含む)、かつ地域住民と交流を継続できるコミュニケーション能力が重要な役割を果たしている傾向がある。そしてそのプロセスにおいては、GTを活用した結果として行われるものと、新たな高次化の取組みがGTの魅力となって集客に結びついているものが見られた。全体の分析結果を用いて、農業・農村地域特性を踏まえたGTメニューの選択モデル、想定される市場地域の設定モデル、農業の高次化とGTの相互連携を通じた持続的農業・農村モデルを整理し、戦略的な都市農村交流と人材確保に向けたGTのあり方を考察している。なお国際会議において論文2編を発表した。
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