平成25年度は、未熟堆肥を施用した畑地における大腸菌および大腸菌群の流出特性の解明と、堆肥化過程および畑地で施せる保全対策について扱った。先ず、現地調査と模型斜面実験を実施して未熟堆肥を施用した畑地における流出特性を調べた結果、大腸菌および大腸菌群は表面流、浸透流双方に通じて流出し、表面流出では特に懸濁液成分に伴って流出していることが明らかとなった。 大腸菌および大腸菌群の流出を効果的に抑制できる畑地での保全対策としては、畑地斜面端における緩衝帯の設置や、排水路に高アルカリ性のフィルター材を有する土砂溜の設置が効果的であることが分かった。 併せて、堆肥化過程における保全対策については、風乾処理よりも、添加材によるpH 9.0付近への調整が発酵過程に影響なく、大腸菌および大腸菌群を殺菌できることを明らかにできた。
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