研究概要 |
人工光利用の閉鎖型(人工光)植上物生産システムおよび太陽光利用の温-室に関して、物質およびエネルギー収支を詳細に解析して、投入資源である光エネルギー、水、二酸化炭素などの利用効率を算定し、算定結果に基づき、利用効率の改善策を示した。研究代表者は、従来の園芸施設に関するこの種の解析に関して過去に多くの成果を出しているので、基本的には、そこでの手法を改善した手法を適用した。 電気エネルギーおよび光利用効率に関しては、電気エネルギーから植物体の化学エネルギーにいたるエネルギー変換プロセスを詳細に解析し、投入資源である電気などの利用効率を高める方策を解明する。 まず、第一に、閉鎖型システムは、従来、育苗や光独立栄養培養に利用されていたが、葉もの生産にも有用であることが示された。その結果、葉もの生産に関しては、人工光閉鎖型システムの方が自然光温室システムよりも上記の光利用効率、水利用効率、CO_2利用効率が高いことが判明した。 次いで、人工光閉鎖型および自然光システムにおける上述の投入資源利用効率の改善方法を考察し、植物群落の受光比率を高めることの重要性を指摘した。 これらの研究成果を、国際園芸学会の「革新技術コロキアム」で講演した。これらの講演は数百名の参加者の関心を強く引き、その後、数多くの問い合わせや共同研究の提案を得ている。その他、2011年3,月末には台湾における国際ワークショップにおいても本研究の成果を発表し、高い評価を得た。本研究課題の成果は国内外で関心を持たれている。
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