研究概要 |
分析のために必要な材料が少なくてすむことから,研究室で開発したフレール刃と回転篩からなるバッチ処理方式の薄型微破砕機の試作機を用いた。軸回転数(1000-2000rpm)や受け網の穴径(φ2-φ4)を変化させて微破砕を行った。材料には,一定寸法(30mm×60mまたは60mm×60mm)に揃えた竹を用いた。微破砕時の動力測定を行い,微破砕物の熱水処理後にセルラーゼにて糖化を行い,糖化効率を求めた。 統計解析の結果次の傾向を発見した。回転篩の穴径が小さくなるほど微破砕物は小さくなり,比所要動力は増大した。これに対して穴径が小さいほど糖化効率は微増したが,φ2の場合でも糖化効率40%弱で,φ4の場合の1.5割増程度にとどまった。比所要動力の観点から,軸回転数は1500rpmあたりが最適であったが,回転数を上げるほど微破砕物が細かくなる傾向があり,糖化効率も微増した。回転数増加に伴う比所要動力の増大はわずかであったので,さらに検討すべきパラメータとして有望である。なお,投入した竹片の大きさは糖化効率に影響はなかったものの,比所要動力に大きく影響したので,今後もコントロールが必要である。なお付帯して,原料の竹の性質として含水比やタンパク質含有率などが,比所要動力・糖化効率に影響を与ることが分かってきたので,次年度はコントロール因子として考慮する。 当初計画の圧搾機は,市販品が製造中止で購入できなかったため,所有者を探して交渉の上,所要電力のみを測って圧搾物を分析する算段となった。対照機であるチップソーについては製作中で,圧搾機とも来年度すぐにデータを出せる予定である。
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