研究課題/領域番号 |
21580310
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
有馬 誠一 愛媛大学, 農学部, 准教授 (60335891)
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研究分担者 |
高山 弘太郎 愛媛大学, 農学部, 講師 (40380266)
上加 裕子 愛媛大学, 農学部, 助教 (00527103)
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キーワード | 防除システム / 物理的特性 / 機能水 / 病害虫 / 行動解析 |
研究概要 |
● 光の波長とそれがなす模様に対する昆虫の行動調査 1) トマト栽培の太陽光利用型植物工場において、6色の丸形シールを貼り付けた黄色シートを設置し、動画撮影することによって、色と模様に対する虫の行動反応を検証した。反応基準は、(1)模様まで進み、そこで方向転換、(2)模様に直接飛来、(3)複数の模様を通過、とした。画像解析の結果、模様に反応している割合が最も高かったのは青色で約65%、次に銀(63%)、黒(60%)と続いた。その他の3色では約50%であった。 2) 大小2種類(φ15、φ8)6色の丸形シールを貼り付けたもの、および円形の穴加工を施した黄色粘着シートを植物工場内に設置し、虫の誘引数を調査したところ以下の結果を得た。 ・ 模様の大きさによる虫の誘引数の有意差はなく、小バエはφ8mm程度の物体を十分認識できることがわかった。 ・ どの実験区も対照区よりも誘引数は多かった。特に穴加工区の誘引数は、対照区の約1.7倍と最も多く、次に青、黒が約1.4倍の誘引数であった。紫外域に反射帯を持つ金、銀は、それぞれ1.2倍、1.3倍であった。 ・ 穴加工、青、黒の誘引数が多かったのは、黄色粘着シートの分光反射特性と比較して大きく差異がある模様、すなわちコントラストの大きさが影響を与えているためと推察された。 ● 機能水を利用した防除システムに関する基礎データ収集 1) 防除システムの基本仕様を検討するための基礎実験として、動力噴霧機でオゾン水(5ppm)を散布し、散布されたオゾン水の濃度を測定したところ以下の結果を得た。 ・ 動噴圧力1MPa下で内径10mmのホースから排出されたオゾン水濃度は3ppm程度、複数の粒径の散布ノズルから散布されたオゾン水濃度は最も高ものでも0.5ppm程度であった。動噴圧力0.5MPaでは1ppm程度であった。 ・ 対象植物へのオゾン水の供給量としては不十分であり、散布方法を再検討する必要がある。
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