研究概要 |
1.光の波長とそれがなす模様を施した粘着シートの実証試験 黄色粘着シート(100mm×257mm)に3×5列の等間隔に模様および穴を施し、害虫の誘引実験を行った。実験は愛媛大学知的植物工場基盤技術研究センター植物工場A(500m2)で実施し、粘着シートの設置場所による影響がないように1週間毎に設置場所をローテーションさせた。害虫の誘引数の測定は、設置後3週間と3ヶ月とした。 ・設置後3週間の測定結果では、対照区に比べ全ての模様で害虫の誘引数が多くなったが、3ヶ月後の測定結果では差が認められなかった。これは、既に捕殺された虫自体が模様となって害虫を誘引しているためと推察できる。 ・設置後3週間のデータでは模様を施した方の誘引数が多くなることから、模様を施すことによって、通常の粘着シートに比べ、誘引効果に即効性を持たせることができると考えられる。 ・各模様と黄色粘着シートの輝度値を求め、コントラスト比と害虫誘引数との相関を求めたところ、コントラスト比が高いほど誘引数が多くなる傾向にあり、正の相関が認められた。 2.防除用散布システムの開発 近年,農業分野でも注目されているオゾン水の殺菌効果を利用した防除技術を導入し,化学農薬と組み合わせることで大幅な減農薬を可能とするハイブリット防除システムの開発を行った。オゾン水は,物理的な衝撃により容易分解し酸素になる問題がある。そこで,散布圧力や粒径とオゾン水濃度の関係,付着率を計測し,1ppm以上のオゾン水濃度を保つ散布システムについて検討したところ,粒径,散布圧力とオゾン水濃度には,ある程度の相関が確認できた。散布圧を0.07~0.11MPa、粒径を340~480μm程度にコントロールすることで,オゾン水濃度1ppm以上の散布が可能となることがわかった。
|