研究課題
前年度、サルコメアA-1接合部に相当するGST融合組換えコネクチン4~5連続ドメインとパラトロポミオシンとの結合を、GST pull down assay法で検証したが、結果は明確ではなかった。原因としてGSTの影響が考えられた。従って本年度は、GST融合組換えタンパク質として発現後、GSTを除去した各組換えコネクチン断片とパラトロポミオシンとの結合を、共沈殿法やサルコメアA-I接合部のコネクチン領域を認識するT11抗タイチン抗体を使用するウェスタンブロッティング法等の結合実験で分析した。またパラトロポミオシンと物理化学的諸性質の類似したトロポミオシンとA-I接合部のコネクチン断片との結合を、組換えタンパク質を用いて調べ、比較した。一方で結合実験に使用するパラトロポミオシンおよびコネクチン4~5連続ドメインに対する抗体作製を進めた。その結果、パラトロポミオシンあるいはトロポミオシンαサブユニットと4種類の組換えコネクチン断片との結合を示すシグナルは、いずれの方法でも検出されなかった。この理由として、組換えタンパク質として発現したA-I接合部の組換えコネクチン断片の長さが、パラトロポミオシンの結合に不足していることが考えられ、今後ドメイン数の多い組換えコネクチン断片を用いる検証が必要と考えられる。一方、抗原としての組換えGST融合コネクチン断片を得るために、これまでに我々の研究室で構築した発現プラスミド(pGEX6P)で大腸菌Origami(DE3)株を形質転換して、発現を試みた。誘導後の大腸菌の破砕試料および遠心分離後の上清中にGST融合コネクチン断片の発現が認められた。今後、スケールアップした組換えGST融合コネクチン断片の発現後、遠心分離後の上清をグルタチオンセファロースで分離する手法で組換えGST融合コネクチン断片の精製を進めている。
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食肉の科学
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Program and Abstracts of 57th ICoMST
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http://www.ans.kobe-u.ac.jp/kenkyuuka/seimei/doubutusigen.html