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2009 年度 実績報告書

乳酸菌の新規感染阻害因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21580334
研究機関北里大学

研究代表者

向井 孝夫  北里大学, 獣医学部, 教授 (20229917)

キーワード乳酸菌 / 付着 / 感染 / プロバイオティクス / Helicobacter pylori
研究概要

細菌は細胞や粘膜に付着することで消化管内に定着し、その生存を可能としている。このため、細菌の細胞や粘膜に対する付着機構の解明は、有用細菌のさらなる利用および感染症に対する新たな対処法の開発に役立つと期待される。本研究室では、Lactobatillus reuteri JCM1081株がHelicobacter pyloriのスルファチドへの付着を阻害すること、JCM1081株がスルファチドに対する付着因子として、翻訳伸長因子であるElongation Factor Tu(EF-Tu)を持つことを報告しており、その付着機構の解明を目指している。本研究では、EF-TuのJCM1081株以外の乳酸菌における細胞局在性の解析と、EF-Tu組換え蛋白質と推定受容体との結合性の評価を行うことを目的とした。
EF-Tuの局在性については、継時的に採取した菌体培養液を、培養上清・菌体表層・菌体の3つの画分に分け、それぞれの画分のEF-Tuをウェスタンブロッティングで検出した。供試菌株としてL.reuteri4株、L.gasseri5株を用いた。また、L.reuteri JCM1081株とL.gasseri SBT2055株のEF-Tu組換え蛋白質と推定受容体であるスルファチド及び細胞外マトリックス(ECM)との結合性を表面プラズモン共鳴法で評価した。
EF-Tuの細胞局在を調べた結果、菌体内だけでなく、全ての菌株の菌体表層及び培養上清画分にEF-Tuが検出され、EF-Tuが菌体外に存在することが示された。また、培養上清中のEF-TuはpHの低下に伴い減少した。組換えEF-Tu蛋白質と推定受容体の結合性を測定した結果、JCM1081株、SBT2055株ともにpHの低下に伴って結合性が強くなる傾向が見られ、菌種による結合性に差は見られなかった。以上の結果から、EF-Tuの局在性及び結合性にはpHが影響を与え、細胞への付着を制御していると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Photodynamic antimicrobial activity of avian eggshell pigments2010

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa SI, et al.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 584

      ページ: 770-774

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 陽内細菌とプロバイオティクス2010

    • 著者名/発表者名
      向井孝夫
    • 雑誌名

      東北のコロニー 34

      ページ: 13-20

  • [学会発表] L.reuteriJCM1081の推定付着因子であるEF-TuのpH依存的な付着特性の変化2010

    • 著者名/発表者名
      西山啓太、向井孝夫, ほか3名
    • 学会等名
      日本畜産学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-03-28
  • [図書] 食の安全と予防医学(分担執筆)2009

    • 著者名/発表者名
      向井孝夫
    • 総ページ数
      29
    • 出版者
      養賢堂

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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