本研究では、消化管感染症起因菌に対するLactobacillus reuteriおよびLactobacillus gasseriの競合排除能力を明らかにすることを最大の目的とした。この目的のため、第一に、L. reuteri JCM1081のH. pyloriの受容体であるスルファチドの硫酸化糖鎖への付着因子を解析したところ、Ef-Tuが本菌株のスルファチドへの新規付着因子であることが強く推察された。第二に、フィブロネクチン付着性を示すL. gasseri TM333のC. jejuniに対する鶏ヒナにおける定着阻害能力を検討した。本菌株を連続7日間経口投与したところ、盲腸内のC. jejuni菌数は98%減少し、本菌株が鶏ヒナからのC. jejuniの排除に有効であることが示唆された。
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