研究課題
特定の遺伝子機能が破壊されたいわゆるKOブタ個体を作成するには、マウスの場合と異なり、in vitroでのホモKO体細胞の作成、その体細胞核移植という経路を辿る。ブタの場合、ホモKO細胞の作成は、その後の実験のスピードを左右する重要な問題である。ヘテロKO細胞由来の個体に比べ、2年ほど実験時間が短縮されるからである。ホモKO体細胞の作成に至る種々の条件(薬剤耐性性等)が不明故、基本的な問題を検討した。その結果、ミニブタ胎仔性繊維芽細胞(PEF)は、blasticydine S, hygromycin B, zeocin等の様々な薬剤に感受性があった(Sato et al., in press)。なお、予備的な検討では、puromycin等の薬剤では、濃度を高めることで、組換え細胞の死滅が誘導された。通常のKOシステムでは、内在性の標的遺伝子を破壊するために、いわゆるgene targeting (GT) vectorの構築が必要となる。今回細胞表面糖鎖であるα-Galepitopeを合成する酵素α-1,3-GalTをコードする遺伝子を標的とした。GT vectorとしてpuromycin耐性遺伝子(puro)を有するvector pPGalTを構築した。これを腎臓上皮由来細胞に遺伝子導入した(以前は、PEFをドナー細胞に用いていたが、重複の遺伝子導入には耐えられず、不適と判断)。得られたヘテロKO細胞に更にpPGalTを導入し、細胞を高濃度のpuromycinで選別することで、ホモKO細胞を得た(論文作成中)。この場合、ホモKO細胞は、α-Galepitopeを無くすので、それを識別するBS-I-B4レクチンに毒素(saporin)を結合させたIB4-SAPで遺伝子導入後の細胞を処理すると、簡単にホモKO細胞を濃縮出来る。後は、体細胞核移植経由でブタ個体を作成するのみであるが、与えられた補助金の期限内ではまだ時間が足らなかった。現在、更なる実験を継続中である。
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