アクチビンはTransforming growth factor(TGF)-βスーパーファミリーに属する分化・増殖因子で3種類の分子種(アクチビンA、AB、B)が知られており、FSH分泌促進をはじめ様々な機能が報告されている。新規アクチビン(アクチビンCおよびアクチビンE)の生物学的機能は未解明な部分が多いが、アクチビンEは糖/エネルギー代謝に重要な役割を有することが分かってきた。 1.組織特異的アクチビンE発現マウスの作製:アクチビンEの糖/エネルギー代謝における機能解析のため、Cre-loxP sysytemを使用して肝臓特異的にアクチビンEを過剰発現するトランスジェニック(TG)マウスを作製した。floxed-activi Eトランスジーンを受精卵にマイクロインジェクションして得たTGマウスと、肝臓特異的にCreリコンビナーゼを発現するTGマウスとを交配することにより目的のTGマウスを得た。この肝臓特異的にアクチビンEを過剰発現するマウスは、血糖値が低いことからインスリン感受性が亢進していることが考えられた。この結果は全身性にアクチビンEを過剰に発現しているTGマウスのデータと一致していた。今後、高脂肪食を与えてアクチビンEの抗メタボリック作用の確認する予定である。 2.組換えアクチビンEの精製:これまでに組換えアクチビンEの精製を試みてきたが、十分なタンパク質を待られていない。そこで、アクチビンEと結合することが分かっている受容体の細胞外ドメインの組換えタンパク質を作製してアフィにティー精製に利用した。アクチビンEを産生する安定形質発現細胞株の培養上清を出発材料に精製を行ったところ、少量ではあるが純度の高いアクチビンEを精製することが可能となった。
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