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2011 年度 実績報告書

家族性てんかん犬におけるてんかん発生機序に関する分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580373
研究機関鳥取大学

研究代表者

森田 剛仁  鳥取大学, 農学部, 准教授 (70273901)

キーワードてんかん / 神経伝達物質 / グルタミン酸トランスポーター / グルタミン酸 / イヌ / 遺伝性 / 免疫電子顕微鏡 / 免疫組織化学
研究概要

【背景・目的】本教室では、特発性前頭葉てんかん家系犬を維持しており、大脳皮質における免疫組織化学的検索から、本家系犬の大脳皮質におけるグルタミン酸トランスポーターの陽性像の低下が認められ、グルタミン酸が細胞間隙に集積しやすい状態にある可能性が示唆された。よって、本家系犬の大脳の神経細胞過剰興奮に、GLT-1蛋白の合成低下とそれに伴うGluのシナプス間隙における集積が関連している可能性が示唆された。また。同部位には神経細胞壊死が観察され、神経細胞壊死の発生機序にGluによる興奮毒性の関与が推察された。今回、本家系犬の大脳皮質脳溝深部のアストロサイトにおけるGLT-1蛋白の合成過程に着目し検索を行った。また、GLT-1蛋白の合成低下とミクログリアのサイトカイン産生との関連について検討した。【材料および方法】(1)免疫組織化学的検索:家系犬3例および対照犬2例の大脳ホルマリン固定材料および抗GLT-1抗体、TNF-α抗体を用いた。(2)In situ hybridization: 上記ホルマリン固定材料およびGLT-1mRNAに相補的なプローブ(DIG oligonucleotide 3'-end labelling kitで標識)を用いた。(3)免疫電子顕微鏡学的検索:上記ホルマリン固定材料および抗GET-1抗体(immunogoldで標識)を用いた。【結果】(1)免疫組織化学的検索:家系犬の大脳皮質脳溝深部におけるGLT-1陽性像の減弱を確認した。(2)In situ hybridization: 連続切片を用いた検索により、GUT-1陽性像低下領域のアストロサイトはGLT-1mRNA陽性であることが確認された。また、対照犬と家系犬に陽性像の差は認められなかった。(3)免疫電子顕微鏡学的検索:対照犬の大脳皮質脳溝深部のアストロサイトの小胞体膜上および細胞膜上にGLT-1陽性像が確認されたのに対し、家系犬のこの領域のアストロサイトにおいては、小胞体膜上に陽性像は確認されたものの、細胞膜上には陽性像は確認されなかった。一方、免疫組織学的にミクログリアの活性化および活性化ミクログリアにおけるTNF-α陽性像が観察された【考察】家系犬の大脳皮質脳溝深部のアストロサイトの細胞質内におけるGLT-1蛋白合成過程において、小胞体における蛋白合成までは正常に行われていることが確認された。今後、小胞体以降のGLT-1蛋白の合成過程(ゴルジ装置における糖付加など)および細胞膜への移送に関する検討が必要である。また、GLT-1蛋白合成にTNF-αが関与している可能性があり、今後詳細に検討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] てんかん家系シェルティー犬における神経細胞壊死の発生機序に関する病理学的研究2011

    • 著者名/発表者名
      櫻井優, ほか
    • 学会等名
      第152回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      20110919-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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