マイクロバブル発生装置にオゾン発生器を連結させ、40Lの水道水にオゾン含有マイクロバブルを作製した。実験室に設置した水槽内で、マイクロバブル単独、オゾン単独およびオゾン含有マイクロバブル発生装置による処理を行い、食中毒細菌(カンピロバクター及びサルモネラ)に対する殺菌効果を調べた。さらに殺菌効果に対する有機物の影響を見るため、鶏血清を添加(0.5%)して同様の試験を実施した。オゾン含有マイクロバブル処理による食鳥肉の微生物制御効果を調べるため、処理場の出荷直前の皮付きモモ肉を一定時間浸漬し、皮の表面に付着している一般生菌数の変化を指標として評価した。さらに肉の超音波処理を組み合わせた場合の殺菌効果について比較した。その結果、オゾン発生装置を単独で使用した場合に比較してマイクロバブル発生装置と組み合わせて使用した場合、30分後の水中のオゾン濃度は約2.6倍高かった。供試した食中毒細菌に対する殺菌効果は、オゾン単独でも2ppmの濃度で1分以内に全て検出限界値(10個)以下まで殺菌することができた。一方、血清を添加するとオゾン濃度は急激に低下し、オゾン単独では殺菌効果がほとんど認められなかったが、オゾン含有マイクロバブルでは殺菌効果は維持された。モモ肉に対して最も高い殺菌効果を示したのは、オゾン含有マイクロバブルに超音波処理を組合せた方法で、最大11100程度まで付着菌数を減らすことができた。以上の結果から、今回試作したオゾン・マイクロバブル発生装置は、高い溶存オゾン濃度を維持することができ、食鳥肉に対する高い殺菌効果が得られることが明らかとなった。さらに超音波を共振超音波に、殺菌剤をオゾン水から塩化セチルピリジニウム(1000ppm)に代えて殺菌処理を行うと、と体皮膚に付着したカンピロバクターを最大1/100程度まで殺菌することが可能であった。
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