研究課題
高濃度オゾン水および塩化セチルピリジニウム(CPC)を用いた鶏と体の殺菌効果試験を前年度までに行ったが、23年度は、次亜塩素酸、酸性化次亜塩素酸、複合塩素剤、サラシ粉、リン酸三ナトリウム、乳酸、フマル酸を用いた殺菌効果試験を実施した。殺菌剤を満たした真空容器内にブロイラーの「と体」を浸漬させ、0.002HPa(ヘクトパスカル)で10分間吸引後、常圧に戻す操作を3回行うことで脱気とともに薬液の浸透を促進させ、続いて殺菌剤を満たしたステンレス容器内にと体を移して浸漬させ、と体表面の付着細菌の遊離を促進させるため、共振型超音波発生装置(130KHz)により5~15分間超音波を照射した。一連の殺菌処理が終了後、殺菌剤を除去するため、と体を流水で10分間洗浄し、処理前後の胸および背(各3箇所)の皮をストマッカー処理し、最確数(MPN)法にて皮に付着しているカンピロバクター数を定量的に測定・比較した。対照として未処理と体を水道水で処理、真空処理と共振超音波処理の対照として薬液に浸漬するだけの処理を行い、同様にカンピロバクター菌数を測定した。その結果、吸引・共振超音波処理に用いた有機酸(乳酸、フマル酸)とリン酸三ナトリウムは、添加濃度に依存して高い殺菌効果が認められたが、薬液への浸漬のみでは高い殺菌効果は認められなかった。有機酸のpHは酸性、リン酸三ナトリウムのpHはアルカリ性であることから、次に、鶏と体表面を酸またはアルカリ処理した皮膚を用いて、カンピロバクターの付着試験を行った。その結果、いずれの処理においてカンピロバクターの付着能が低下した。以上の結果から、カンピロバクター菌体と鶏と体(皮膚)側の両者の要因が鶏と体への付着に関与していることが示唆された。
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Annals of Microbiology.Ann.Microbiol.
巻: (In press)
Br.J.Biomed.Sci.
巻: 68 ページ: 19-22