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2010 年度 実績報告書

西日本におけるイノシシ猟犬の肺吸虫感染状況の調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580377
研究機関宮崎大学

研究代表者

堀井 洋一郎  宮崎大学, 農学部, 教授 (80173623)

研究分担者 野中 成晃  宮崎大学, 農学部, 准教授 (50281853)
キーワード肺吸虫 / ウェステルマン肺吸虫 / 血清疫学調査 / イノシシ / イノシシ猟犬
研究概要

22年度は近畿地方の調査を行ったところ214頭中80頭(37.4%)が陽性で近畿地方においてもイノシシ猟犬の肺吸虫症感染率が高率であることが判明した。感染犬の糞便から得られた虫卵のITS-2領域のシーケンスから検出された肺吸虫卵は、それぞれP.westermani、P.miyazakii、P.ohiraiの特徴を示し、西日本のイノシシ猟犬は国内に分布する可能性のある3種全ての肺吸虫に感染していた。特に、イノシシ生食歴が少ない犬から検出された虫卵はP.westermani以外のものが多い傾向が強かった。また、ビーグル犬3頭を用い、P.ohirai、P.Miyazakii、の2種のメタセルカリア(Mc)を感染させた後、ヘリカルCT装置を使用して病変の経時的変化について検討した。実験犬1(P.ohirai Mc20個)では左前葉に存在した結節は次第に消失し、1週間で消失する浸潤性陰影が頻出した後、右後葉に新たな結節が形成された。実験犬2(P.ohirai Mc4個)では感染初期、肺内に1週間で消失する浸潤性陰影が頻出した後、結節が形成された。実験犬3(P.miyazakii Mc20個)では右後葉に存在した結節は消失し、肺のすりガラス様X線不透過像や1週間で消失する浸潤性陰影が頻出すると同時に気胸の発生も確認された。その後、左後葉に新たな結節が形成された。肺吸虫症の感染初期および結節の消失後、イヌ肺内に頻出する浸潤性陰影は、肺吸虫が宿主肺内を移動する際の物理的傷害や炎症を反映して出現するものと考えられた。また、肺吸虫はイヌ肺内において虫嚢の形成、消失および移動を繰り返し寄生していると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 中国・四国地方におけるイノシシ猟犬の肺吸虫感染状況2010

    • 著者名/発表者名
      入江隆夫、山口洋平、三堂祥吾、南野知也、郭志宏、野中成晃、堀井洋一郎
    • 学会等名
      第63回日本寄生虫学会南日本支部大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2010-11-07
  • [学会発表] 中国四国地方におけるイノシシ猟犬の肺吸虫血清疫学調査2010

    • 著者名/発表者名
      山口洋平、入江隆夫、三堂祥吾、南野知也、郭志宏、小林郁雄、野中成晃、堀井洋一郎
    • 学会等名
      第150回日本獣医学会
    • 発表場所
      帯広
    • 年月日
      2010-09-17
  • [学会発表] 経時的CT検査による肺吸虫のイヌ体内動態の観察2010

    • 著者名/発表者名
      小川篤史、佐藤裕之、三堂祥吾、野中成晃、山口洋平、入江隆夫、浅沼武敏、堀井洋一郎
    • 学会等名
      第150回日本獣医学会
    • 発表場所
      帯広
    • 年月日
      2010-09-17

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公開日: 2012-07-19  

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