研究課題
乳腺上皮細胞と免疫担当細胞から構成される乳線感染モデル、すなわち、三次元感染モデル(乳腺組織混合培養系)を構築し、乳腺上皮細胞と免疫担当細胞の相互作用を解明すると共に、それらの関係を保持しながら細菌感染にともなう乳腺組織の免疫学的多様性について三次元乳腺感染モデルを構築し包括的・網羅的に解明する。本年は「乳腺感染モデルにおける乳腺細胞の機能的発現とその発現調節機構の解明」について研究した。その結果、(1) 乳汁合成能の評価:カゼイン類の分離同定を行い乳汁淡白の合成を確認した。(2) 脂肪合成能の評価:薄層クロマトグラムにより主要な脂肪についてその合成を確認した。(3) (1)および(2)は黄色ブドウ球菌等、病原微生物の共培養により著しく低下した。(4) 乳腺上皮細胞における各サイトカイン遺伝子の発現量を調べたところ黄色ブドウ球菌等、病原微生物の共培養により、有意(p<0.05)に上昇することが確認された。(5) 機能発現調節機構の解明を目的としてプロテインキナーゼC(protein kinase C;)の活性を比較したところ有意(p<0.05)な定価が確認された。が明らかになった。以上の結果より、乳房炎原因微生物は、乳汁合成を著しく抑制するとともに、サイトカイン遺伝子の発現を誘導することが確認された。
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Journal of Veterinary Medical Association
巻: 72 ページ: 1507-1511
Journal of Veterinary Science
巻: (in press)