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2010 年度 実績報告書

糖ペプチド型分子プローブを用いた細胞内PNGaseのリアルタイム解析

研究課題

研究課題/領域番号 21580410
研究機関群馬大学

研究代表者

松尾 一郎  群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40342852)

キーワード糖鎖 / 有機合成 / 塘アミノ酸 / PNGase / 分子プローブ / アスパラギン結合型糖
研究概要

PNGaseは糖タンパク質からN-型糖鎖を遊離させる酵素であり,異常糖タンパク質の品質管理機構(ERAD)に関わる分子として注目されている。しかしながら,酵素活性を簡便かつ定量的に解析可能な合成基質はなかった。本研究ではPNGase活性を定量的に解析するための合成基質を化学的に調製することを目的としている。本年は,キトビオース構造をベースとしてPNGaseによる糖鎖認識能を失うことなく蛍光標識可能な部位を決定するために,還元末端にアジド基を,非還元末端の4位にプロパルギル基を有するキトビオース誘導体の合成を実施した。1)単糖グルコサミン誘導体の4位に対するプロパルギル基の導入を検討したところ,TIPS基でアルキンを保護することで目的物が収率よく得られることを見いだした。得られたプロパルギル基を有する単糖を糖供与体とし,グルコサミン誘導体とのカップリング条件を種々検討した結果,目的とするキトビオース構造の構築に成功した。一方,キトビオース構造を先に構築後,4位に対するプロパルギル化を行うことにより,目的とした2糖の合成が可能であることを確認した。2)2糖キトビオース誘導体の脱保護反応および官能基変換を検討した結果,DDQによる酸化的脱ベンジル化反応により,アジド基およびプロパルギル基を傷めることなく目的物が得られることを明らかにした。3)還元末端部分へのアスパラギン酸の導入は,Bu_3Pを用いたシュタウディンガー反応により,目的物が得られることを確認した。4)キトビオース誘導体の4位に対して,アジド基を有するDansyl基の導入を行った結果,2糖誘導体でもクリック反応により,蛍光性置換基の導入が可能であることを確認した。以上の検討により,キトビオース誘導体をベースとして,糖アミノ酸のグラムスケールでの合成が可能であること,および蛍光標識が可能であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 糖タンパク質糖鎖の精密合成と生体機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      松尾一郎
    • 雑誌名

      横浜市立大学論叢自然科学系列

      巻: 61 ページ: 161-177

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evidence for an Essential Deglycosylation-Independent Activity of PNGa se in Drosophila melanogaster2010

    • 著者名/発表者名
      Funakoshi Yoko
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 5 ページ: e10545

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthesis of probes for the analysis of PNGase activity2010

    • 著者名/発表者名
      Masuda Mizuho
    • 学会等名
      2010環太平洋国際化学会議PACIFICHEM2010
    • 発表場所
      ハワイコンベンションセンター(ホノルル)
    • 年月日
      2010-12-16
  • [学会発表] Fluorescently labeled glyco-molecule probe for analysis activity of PNGase2010

    • 著者名/発表者名
      Masuda Mizuho
    • 学会等名
      国際糖質シンポジウム
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2010-08-02
  • [学会発表] 細胞内Peptide-N-Glycanase解析のための糖鎖分子プローブの合成2010

    • 著者名/発表者名
      益田瑞穂, 鈴木匡, 伊藤幸成, 松尾一郎
    • 学会等名
      平成22年度日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      長岡技術科学大学(長岡)
    • 年月日
      2010-05-29

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公開日: 2012-07-19  

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