研究課題
ダイサー遺伝子(DCL1-4)、RNaseIII遺伝子(RTL2)、2本鎖RNA結合タンパク質遺伝子(DRB1-5)を過剰発現しているシロイヌナズナの系統およびそれら遺伝子の変異系統について、ウイルス抵抗性能を評価する実験を行った。緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を組み込んだカブモザイクウイルス(TuMV-GFP)を接種したタバコの感染葉を接種源としてウイルス接種実験を行った。接種葉でのウイルスの増殖、全身へのウイルス感染の広がりをGFP蛍光で評価する評価系を確立した。これら過剰発現系統のRNA干渉能が強化されていることを評価するために、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子およびカロテノイド合成に関与する遺伝子に人工的にRNA干渉を誘導し、GFPの蓄積量(緑色蛍光強度)および光脱色の程度(葉の白色化)を指標に視覚的にRNA干渉の程度を評価できる植物を試験に用いた。ダイサー、RNaseIII、DRB遺伝子の突然変異および過剰発現した系統と、これらRNA干渉誘導系統を交配し、そのF1、F2世代でRNA干渉の程度を評価し、これらの遺伝子のRNA干渉能への寄与を評価したが、明確にRNA干渉能を強化しうると結論づけられる結果は得られなかった。しかし、ダイサー活性(2本鎖RNA切断活性)を直接生化学的手法で試験しRNA干渉能を評価する系を確立し、4種類のダイサー(DCL1-4)の中で、DCL4の2本鎖RNA切断活性が最も強いこと、2本鎖RNA結合タンパク質DRB4がDCL4の2本鎖RNA切断活性に必須であることを明らかにした。
すべて 2010 2009
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Plant and Cell Physiology 51
ページ: 58-67