研究概要 |
新しい神経性疾患治療薬開発を念頭に置いた医薬品シーズ探索を目的とし、AMPAレセプターアンタゴニスト活性が期代される、2,3-ベンゾジアゼピン誘導体の合成研究を行った。合成には、筆者が独自開発したベンゾシクロブテンン誘導体とジアゾメチレン化合物の連続的電子環状反応を利用した。まず、活性発現に必須と考えられるジアゼピン環上1位のアリール基を導入することを目的とし、基質となるベンゾシクロブテン環にあらかじめアリール基を組み込んだ基質合成を行った。これら基質合成は問題なく達成することができた。これらの基質を用いた連続的電子環状反応も円滑に進行し、1位にアリール基を有する2,3-ベンゾジアゼピン骨格の構築に成功した。また引き続く酸処理により、これまで報告例のない新規な複素環骨格「ジアザベシゾトロポン」型化合物を得ることができた。オリジナル有機分子べあるため、その化学反応性や薬理活性には未知なる期待が持たれる。置換基に多様性を持たせるため、アリール基上に様々な置換基を有する基質を用いて本合成経路を検討したところ、非常に一般性高く反応が進行することが判った。更に、1位以外の酸素含有置換基(オキソ基、エステル基)に対して、還元等の官能基変換を検体し、化合物ライブラリーの構築を行った。現在までめところ、約15種類のジアザベンゾトロポン誘導体を得ることに成功している。今後、更なる誘導体化と、得られた化合物群に対すろAMPAレセプターアンタゴニスト活性評価を進めていく予定である。
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