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2011 年度 実績報告書

α-ヘテロ原子効果を利用した高活性有機触媒の開発と不斉ビギネリ反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21590010
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 一郎  広島大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40294714)

キーワード有機分子触媒 / 不斉Diels-Alder反応 / 分子軌道計算 / イミニウムイオン / ヒドラジド / α-ヘテロ原子効果
研究概要

N,N'-ジアミノイミダゾリジノン触媒の触媒効率向上を目的として、種々の置換基を持つジアミノイミダゾリジノン類を合成し、その触媒効率を検討した。その結果、立体反発の小さい置換基を窒素上に導入すると、予想通り触媒の反応性は高まったものの、不斉誘導効率は大きく低下した。一方、イミダゾリジノン環上の置換基を変えた場合、予想に反して不斉誘導効率の大きな変化は見られなかった。この結果から、本触媒系ではイミニウムイオンの面の遮蔽にではなく、他の要因が不斉誘導に大きく関わっていることが推測される。N-アミノオキサゾリジノン型触媒に関しても種々の置換基を持つものを合成し、その不斉誘導効率、触媒活性の検討を行った。オキサゾリジノン型触媒では置換基が立体的嵩高さが反応速度に大きく影響し、かさ高い置換基を持つものでは、著しく触媒活性が低下した。また、単にかさ高い置換基を導入しただけでは、不斉誘導効率は60%ee程度に留まったのに対し、側鎖にフッ素原子を導入し、ゴーシュ効果による配座の固定を試みたところ、87%eeまで不斉誘導効率が向上することが解った。また、これらの結果を解析するために、イミニウムイオン中間体の配座解析を行った。その結果、定性的には実験結果を説明できる結果が得られたものの、定量的には不完全なものであった。この原因として、ここで行った計算では対イオンの効果が加味されていないことが挙げられる。また、不斉ビギネリ反応に関してはこれまでに合成したジアミノイミダゾリジノン、アミノオキサゾリジノン型触媒のほかに、N-アミノプロリン誘導体などを用いて検討を試みたが、20%ee以上の不斉誘導効率を得ることはできなかった。この原因を明らかにするために分子軌道計算により、エナミン中間体の配座解析を行ったところ、窒素-窒素の結合の自由回転が十分制御されていないことが解った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 新規アミノオキサゾリジノン型不斉有機触媒を用いた不斉付加環化反応に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木一郎
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] ジアミノイミダゾリジノン型触媒を用いたDiels-Alder反応における不斉発現機構の解明2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木一郎
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] ジアミノイミダゾリジノン型触媒を用いた不斉Diels-Alder反応の開発および不斉発現機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木一郎
    • 学会等名
      第41回複素環化学討論会
    • 発表場所
      熊本市民会館
    • 年月日
      2011-10-20
  • [学会発表] 新規アミノオキサソ・リシ・ノン型不斉有機触媒の開発、不斉Diels-Alder反応への応用2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木一郎
    • 学会等名
      第50回中国四国支部学術大会
    • 発表場所
      サンポートホール高松
    • 年月日
      2011-10-12

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公開日: 2013-06-26  

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