研究課題/領域番号 |
21590023
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90229790)
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研究分担者 |
松尾 侑希子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (70434016)
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キーワード | 細胞毒性活性 / HL-60細胞 / HSC-2細胞 / Habranthus brachyandrus / Lycoris albiflora / フェナンスリジン型アルカロイド / オートファジー |
研究概要 |
オートファジーの誘導を標的とする新規抗腫瘍活性天然物の探索を目的に、2種のヒガンバナ科植物Habranthus brachyandrusおよびLycoris albifloraの鱗茎のメタノール抽出エキスについて、HL-60ヒト急性前骨髄性白血病細胞に対する細胞毒性を指標に成分検索を行った。その結果、H.brachyandrusより、10種のフラバン類、1種の新規ヒドロキシ脂肪酸配糖体、2種のネオリグナン、1種のアセトフェノン誘導体、1種のジヒドロカルコン、3種のクリナン型アルカロイド、2種のピロロフェナンスリジン型アルカロイドを単離し、各種スペクトルデータの解析と化学変換によりそれらの構造を同定した。また、L.albifloraからは、2種のフラバン類、3種のリグナン類、1種のアセトフェノン誘導体、1種のクリナン型アルカロイド、1種のピロロフェナンスリジン型アルカロイド、2種のフェナンスリジン型アルカロイド、4種のリコラナン型アルカロイド、3種のガランサミン型アルカロイドを単離し、構造を同定した。これら2種のヒガンバナ科植物から単離された化合物について、HL-60細胞に対する細胞毒性活性試験を行ったところ、フェナンスリジン型アルカロイドの一種が非常に強い細胞毒性活性を示した(IC_<50>0.0056μg/mL)。この化合物は、HSC-2ヒト口腔扁平上皮がん細胞に対しても強い細胞毒性活性を示し、細胞死初期の段階において、オートファジー様の形態学的変化を認めた。次年度以降、オートファジー誘導に関する絶対的な確証を得るための実験を行うとともに、強い細胞毒性活性とオートファジー誘導の関連を明らかにする予定である。
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