研究課題
今年度は、(1)ポリアミンの分子修飾の可能性の探索および(2)分子修飾ポリアミンの水溶性高分子モデル化合物の腸管吸収への影響について検討した。(1)ポリアミンが修飾される可能性を探るために、細胞内反応のN-acyltransferase(NAT)に着目した。この転移反応の際にアミンが共存した場合、アミンへのアシル基転移化合物が生成するかどうか実験した結果、生体内にも存在し、食品中にも含まれる、さまざまな脂肪酸が、NATにより、共存する生体アミンと結合し、アシルアミンが生じる可能性が示された。(2)アミンとして生体内に多く存在するポリアミンと脂肪酸との結合により生じたアシルアミンによる水溶性高分子モデル化合物の腸管吸収への影響を検討し、腸管吸収促進作用機構の解明を目指した。アシルアミンとして、脂肪鎖の異なる脂肪酸と結合させたさまざまなポリアミン類縁体を合成し、まずポリアミンの鎖長及び電荷数が腸管吸収に及ぼす影響を調べた。アシルスペルミン(Acylspm)による腸管吸収において、脂肪酸の炭素鎖が長いもので、投与直後より顕著な吸収促進がみられることが明らかになった。今年度の結果からも、ポリアミンが分子修飾される可能性が示され、分子修飾ポリアミンが化合物の腸管吸収に影響を与えることが示唆された。
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Amino Acids
巻: 42 ページ: 619-626
DOI:10.1007/s00726-011-1037-5
巻: (in press)
10.1007/s00726-011-1005-0
http://www.josai.ac.jp/~facpharm/nourish/yv/laboratory_of_cellular_physiology.html
http://www.josai.ac.jp/~facpharm/pharma6/yy/bio-analytical_chemistry.html