研究概要 |
先に報告者らは,ヘテロ核リボ核酸タンパク質(hnRNP)が腫瘍マーカーとして知られるシアリルルイスx(sLe^x)の付加タンパク質であることを示唆する結果を得ている.本研究では, hnRNPファミリーの一部はsLe^xとゴルジ体で共局在しており,それらの発現レベルはDNA合成期から分裂準備期にかけて亢進していることを見出した.また, sLe^xの生合成は主にフコース転移酵素VIが関与しており,この酵素の発現を抑制することにより,大腸癌細胞の増殖が抑制されることを見出した.これらの結果より, sLe^xとhnRNPは,大腸癌の増殖に関係している可能性があり, hnRNPは新しい腫瘍マーカーとして利用できる可能性があることが示唆された.
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