研究課題
エンドソームは形質膜あるいはトランスゴルジ領域からリソソームへの中間に位置する細胞内コンパートメントであり、限界膜がその内部に陥入し形成される内腔小胞を持つ多胞体様構造(MVB : multi vesicular body)と呼ばれる特徴的な構造を持つ。MVBにおける内腔小胞は、細胞外からのエンドサイトーシスで形成される小胞や細胞内の輸送小胞の形成とはトポロジー(膜位相)的には逆位相であり、その形成の分子機構は未だ不明な部分が多い。このような逆位相の小胞形成はHIVをはじめとする一部のウイルスの形質膜上での出芽(Budding)と相関性があることが指摘されてきている。本研究ではこれまでの知見をもとに、2つの逆位相の膜の陥入による小胞形成、すなわちHIVウイルスの形質膜上での出芽、および細胞質分裂(cytokinesis)におけるmidbody形成の分子機構について、特にユビキチン化・脱ユビキチン化による制御機構に着目して明らかにする。今年度の研究成果としては、1)ユビキチンリガーゼNedd4に結合する膜蛋白質NDFIP2(Nedd4-interacting protein 2)がGap-junctionを形成するNedd4の基質蛋白質であるConnexin43の発現量制御を行なっていること、2)HIV等のエンベロープウイルスに対する宿主制御因子であるBST2(Tetherin)をHIVアクセサリー蛋白質であるVpuが細胞表面からリソソームへと輸送・分解に導いていることを明らかにした。
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Communicative & Integrative Biology 3(In press)
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