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2010 年度 実績報告書

プロスタグランジンE2の産生系と分解系のクロストーク機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21590074
研究機関昭和大学

研究代表者

中谷 良人  昭和大学, 薬学部, 講師 (80266163)

キーワードプロスタグランジンE2 / cPGES / 15-PGDH
研究概要

本年度は、代表的な脂質性生理活性物質であるプロスタグランジンE2 (PGE2)の生体内での産生と分解を総合的に理解するために、細胞内でのPGE2の不活化に関わる15-ヒドロキシPGデヒドロゲナーゼ(15-PGDH)の発現調節を検討した。まず、細胞質型PGE合成酵素(cPGES)欠損マウス肺における15-PGDHのmRNA発現をマイクロアレイ法で調べた結果、野生型マウスの肺での発現量に比べて約1/2に低下していた。また、cPGES欠損初代培養線維芽細胞を用いたノーザンブロット解析でも同様の15-PGDHの発現低下が観察され、培養上清中にPGE2の蓄積が見られた。次に、このcPGES欠損初代培養線維芽細胞に15-PGDH cDNAを遺伝子導入すると、培養上清中のPGE2濃度の低下が観察された。さらに、cPGES siRNAを導入したラット線維芽細胞株3Y1においても15-PGDHの発現低下が観察された。また、本細胞株をインターロイキン1betaで刺激すると、野生型細胞と比較して培養上清中のPGE2濃度上昇の亢進が観察された。次に、3Y1細胞に15-PGDHのプロモーター領域をルシフェラーゼcDNAの上流に導入したレポータージーンをトランスフェクションし、cPGESの強制発現によるルシフェラーゼ活性の変化を調べた。その結果、cPGESの過剰発現により15-PGDHプロモーター活性の有意な上昇を検出した。以上の解析から、PGE2の不活化の最初の段階を触媒する酵素である15-PGDHの発現調節にcPGESが関わることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Mitochondrial dysfunction and reduced prostaglandin synthesis in skeletal muscle of Group VIB Ca2+-independent phospholipase A2 γ-deficient mice.2010

    • 著者名/発表者名
      Yoda E, Hachisu K, Taketomi Y, Yoshida K, Nakamura H, Ikeda K, Taguchi R, Nakatani Y, et al.
    • 雑誌名

      J.Lipid Res.

      巻: 51 ページ: 3003-3015

    • 査読あり
  • [学会発表] Involvement of cytosolic prostaglandin E synthase (cPGES/p23) in PGE2 signal termination2010

    • 著者名/発表者名
      Nakatani Y
    • 学会等名
      2010 Keystone Symposia Bioactive Lipids : Biochemistry and Diseases
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-06-08
  • [学会発表] Biosynthesis of prostaglandin E2 in embryonic fibroblasts2010

    • 著者名/発表者名
      Nakatani Y
    • 学会等名
      3rd Pan Pacific Symposium on Stem Cells Research
    • 発表場所
      台北(台湾)
    • 年月日
      2010-04-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/major/hchem/edu_rsch/

  • [備考]

    • URL

      http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/major/hchem/rsch_achievement/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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