研究課題
1.セロフェンド酸の保護作用機序の解明・セロフェンド酸のアミロイドβタンパク質の細胞毒性に対する検討を行う目的で、まずアミロイドβタンパク質の変異体を用いた薬効評価系の確立を目指した。アミロイドβタンパク質の変異体のうち22番目のグルタミン酸と23番目のアスパラギン酸においてターン構造を取る毒性コンフォマーが存在する変異体の毒性が野生型に比べて協力である事を明らかにした。また、その毒性発現にはアミロイドβタンパク質の凝集とラジカルの産生が重要であることを見出した。一方毒性コンフォマーが産生されにくい変異体においては、その神経毒性は野生型と比較して弱いものであった。そこで、毒性コンフォマーを有する変異体による神経毒性に対するセロフェンド酸の保護作用の検討を行った。野生型と同様にセロフェンド酸は24時間の前投与によって、有意な保護作用を発現した。2.胎仔組織由来新規神経保護物質の探索・酸化ストレスに対する生体内抗酸化メカニズムの一つとしてNrf2-ARE経路の活性化が注目されている。そこでAREをレポーター遺伝子の上流に結合させたプラスミドを安定発現した細胞を作製し、ARE活性を効率的に測定できるスクリーニング系を用いてウシ胎仔血清の有機溶媒抽出物のARE活性化物質の探索を行ったところARE活性化物質の存在が示唆された。さらにウシ胎仔血清のエーテル抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけたところいくつかスポットが確認された。これらの結果より胎児期組織には酸化ストレスに対して有用な役割を果たす化合物が含まれていることが期待される。
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