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2011 年度 実績報告書

血管周囲神経の再生・再分布機構の解明研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590095
研究機関岡山大学

研究代表者

川崎 博己  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60125151)

研究分担者 北村 佳久  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40423339)
キーワード神経成長因子 / 血管周囲神経再分布 / 交感神経 / CGRP神経 / Angiotensin II type 1受容体 / Angiotensin II type 2受容体 / 脊髄後根節 / 交感神経節
研究概要

平成23年度の研究では、Phenol局所処置法を用いて腸間膜動脈の血管周囲神経分布を免疫組織化学的に測定し、Angiotensin II type2(AT2R)の関与を調べた。その結果、神経成長因子(NGF)による血管周囲神経再分布作用は、AT2受容体拮抗薬によって抑制され、脊髄後根節におけるAT2Rのタンパク質発現とmRNA抑制が関与していることを明らかにした。従って、CGRP神経ではAT2受容体の発現が重要であることが確認された。次にin vitro系研究において、血管周囲神経の細胞体について交感神経では交感神経節、CGRP神経では脊髄後根神経節(DRG)の初代培養細胞を用いて検討した。ラットのDRGまたは頚部交感神経節を摘出し、コラゲナーゼ処理をして初代培養細胞標本を作製した。この培養神経細胞に神経成長・栄養因子(NGF)を添加し、細胞体から伸長する軸索で、細胞体を中心とした半径120μmの円と交わる軸索の数を計測し、神経軸索伸長作用を評価した。伸長が認められた細胞をTHおよびCGRP抗体で免疫染色し、交感神経およびCGRP神経の確認を行なった。その結果、NGFはDRGおよび交感神経節細胞の神経軸索伸長作用を示した。次に、神経成長因子NGFにAT1およびAT2受容体拮抗薬を同時添加して培養し、神経軸索伸長作用の変化を観察測定した。その結果、DRG細胞におけるNGFによる神経軸索伸長作用はAT2受容体拮抗薬で抑制されたが、AT1受容体拮抗薬では抑制されなかった。この結果は、in vivo系の実験による作用をin vitro系で確認できた。一方、交感神経節細胞では、NGFによる神経軸索伸長作用は、AT1およびAT2受容体拮抗薬で抑制され、両受容体たんぱく質発現およびmRNA量も増加した。以上本研究から、NGFによる血管周囲神経再分布促進作用には、CGRP神経ではAT2Rが重要な働きをしていること、交感神経ではAT1RおよびAT2Rが重要であることを明らかにし、神経再分布においてもAngiotensin IIが重要な役割を果たしている可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Paracrine control of mesenteric perivascular axo-axonal interaction2011

    • 著者名/発表者名
      Hiromu Kawasaki, Shingo Takatori, Yoshito Zamami, Toshihiro Koyama, Mitsunobu Goda, Kazuhiro Hirai, Panot Tangsucharit, Xin Jin, Narumi Hobara and Yoshihisa Kitamura
    • 雑誌名

      Acta Physiologica

      巻: 203 ページ: 3-11

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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