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2009 年度 実績報告書

Sykキナーゼ阻害による神経変性疾患(アルツハイマー病等)の予防と治療

研究課題

研究課題/領域番号 21590106
研究機関武蔵野大学

研究代表者

大室 弘美  武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (00124470)

研究分担者 谷口 泰造  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70346253)
氷見 敏行  武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (30222243)
吉田 ルシア幸子  武蔵野大学, 薬学研究所, 助教 (20240327)
キーワード神経変性疾患 / 炎症 / TNF-α / 抗炎症剤 / シコニン / MAPキナーゼ
研究概要

神経変性疾患(アルツハイマー病等)の発症に炎症が関与する可能性が示唆されており、炎症性サイトカインであるTNF-αの可溶性レセプター製剤(エタネルセプト)がアルツハイマー病(AD)患者の認知能力を改善したとの報告もある。本研究の目的は、炎症性細胞からのサイトカイン等の産生や放出を抑制するSykキナーゼ阻害剤によるAD等の神経変性疾患の予防と治療の可能性を、疾患モデル動物[(1)LPS投与による認知能力低下マウス(ADモデル)、及び(2)タウ変異トランスジェニック(Tg)マウス(AD及びパーキンソン病モデル)]を用いて検討することである。
本年度は、効率的に研究を進めるために以下を行なった。1)LPSのロット、LPSの投与部位及び投与量等が、LPS投与によるマウスの認知機能低下の程度に大きく影響したため、適切なロットのLPSを用い投与部位と投与量にっいての適切な条件を設定し、その際の脳内のTNF-α量について解析中である。2)試験に使用するSykキナーゼ阻害剤を選択するために、シコニン(生薬シコンの有効成分。Sykキナーゼ阻害作用を有する)及びSykキナーゼ特異的阻害剤のTNF-α産生・放出に及ぼす影響を比較し、シコニンがより優れたTNF-α産生・放出の抑制作用を示すことを明らかにした。また、シコニンはLPS刺激によるToll様受容体を介した細胞内情報伝達に関与するMAPキナーゼ(MEK、ERK及びp38)を阻害すること、さらに、NOの産生抑制作用及びNOS(すべての分子種)活性の直接阻害作用を有すること等も明らかにした。3)Tgマウスを用いた試験実施の準備(マウスの作出等)を行なった。
以上の結果等を踏まえ、来年度はシコニン及びエタネルセプトについて、ADモデルでは認知能力等の改善効果を、パーキンソン病モデルでは歩行能力の改善効果を、溶媒投与群(対照群)と比較して評価する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Shikonin directly inhibits nitric oxide synthases : possible targets that affect thoracic aorta relaxation response and nitric oxide release from RAW 264.7 macrophages.2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, L.S, et.al.
    • 雑誌名

      J.Pharmacol. Sci. 112

      ページ: 343-351

    • 査読あり
  • [学会発表] シコニンの抗炎症作用および血管平滑筋弛緩反応の抑制作用に関する新たな分子標的2010

    • 著者名/発表者名
      吉田ルシア幸子、河田登美枝、入江かをる、湯田康勝、氷見敏行、池本文彦、大室弘美
    • 学会等名
      第83回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2010-03-16
  • [学会発表] HaCat細胞を用いた実験創傷治癒系におけるshikonin応答遺伝子のcDNA Mieroarraysによる解析2010

    • 著者名/発表者名
      大内希, ら
    • 学会等名
      第83回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2010-03-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2021-06-01  

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