研究課題
基盤研究(C)
IMP-1メタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネムをはじめとするほとんどすべてのβ-ラクタム剤を加水分解して不活化する複核のZn(II)酵素であり、薬剤耐性機構の一つに関与している。我々は、IMP-1メタロ-β-ラクタマーゼの2つのZn(II)結合サイト(Zn1とZn2サイト)からZn(II)を取り除いたアポIMP-1酵素(apo-IMP-1)の調製を確立し、Zn(II)とCo(II)の両金属イオンに対するZn1とZn2サイトへの結合親和性を紫外-可視分光法により検討した。1当量のZn(II)と1当量のCo(II)を含むapo-IMP-1の紫外-可視吸収スペクトルから判断すると、Zn(II)はCo(II)に比べZn1サイトに高い結合親和性を示すことがわかった。また、Co(II)置換IMP-1酵素(Co(II)-IMP-1)を用いてメルカプト酢酸との相互作用についても分光学的に検討した。本研究により、apo-IMP-1中の複核金属結合部位へのCo(II)またはZn(II)の結合様式ならびにメタロ-β-ラクタマーゼ阻害剤であるメルカプト酢酸とCo(II)-IMP-1との結合様式を推定することができた。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
ChemBioChem
巻: 12(13) ページ: 1979-1983
Med. Chem. Commun
巻: 2(8) ページ: 720-725