研究概要 |
(1) オキセタン縮環型ヌクレオシド誘導体の合成 以前開発したチエタン縮環イソヌクレオシド類の合成中間体であるビシクロエポキシ誘導体をアジ化ナトリウムと処理しアジド基の導入を行った。得られたアジド体の2級水酸基をベンゾイル基で保護した後アセタール基の除去、引き続くメシル化を経て、ナトリウムメトキシド処理によりオキセタン部の構築を行った。残ったメシル基を2段階で水酸基へと変換した後、アジド基の接触還元によりアミノ体へと導いた。このアミノ基を利用し、疑似糖部上にプリン環の構築を行い、6位のアミノ化を経て目的とするオキセタン縮環イソアデノシンの合成を達成した。 (2) ジヒドロチオピラニルヌクレオシド誘導体の合成 trans-2-ブテン-1,4-ジオールから誘導したエポキシド体に対し、有機銅試薬によるビニル基の導入を行った。得られたビニル体の水酸基をメシル化し、求核置換反応によりアリルスルフィド基を導入した。さらに閉環メタセシス反応を経て、疑似糖部となるジヒドロチオピラニル誘導体を合成した。このジヒドロチオピラニル誘導体を対応するスルホキシドに変換した後、申請者らが開発したPummerer型チオグリコシル化反応に付し、ジヒドロチオピラニルヌクレオシド誘導体を合成した。
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