研究課題
高精度ドッキング計算によるイン・シリコスクリーニング由来の阻害剤候補化合物群の順位付け平成22年度のイン・シリコスクリーニングで得られたCRK-C3G相互作用阻害剤の候補化合物群(全15個)の中から、現在構築中のアッセイ系で優先的に評価する化合物を選別するために、候補化合物群とCRKの間の高精度ドッキング計算を行い、その結合親和性を評価した。この計算は、ドッキング計算プログラムGlide XPモード(シュレディンガー社)を用いて行った。その結果、15個中5個の候補化合物のドッキングスコアが非常に良いことが示された。したがって、この5個の候補化合物についての実験的アッセイを優先的に行うことにした。CRK-C3G相互作用阻害剤を同定するためのアッセイ系の考案CRK-C3G相互作用のようなタンパク質-タンパク質相互作用に対する化合物の阻害能を測定する場合には、蛍光団を有する基質を用いることができる酵素アッセイ系とは異なる系が必要である。そこで、研究協力先である北海道大学医学部・田中伸哉博士とのディスカッションにより、FRET(fluorescent energy transfer)システムを用いてアッセイ系を構築することにした。具体的には、CRKにはYFP(Yellow fluorescent protein)、およびC3GにはCFP(Cyan fluorescent protein)を融合させ、CRKとC3Gが結合した時に生じるFRET反応を96Wellマイクロプレート上で測定する系を構築し、阻害剤候補化合物群のFRET反応阻害能を測定する。現在、アッセイ系の構築が行われている。
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