研究概要 |
本研究課題は、コンホメーションの変化によって生じるキラリティーである軸性キラリティーに着目し、薬物の作用発現時に生じる真に活性な構造を洞察し解明することを解明することにより、新たな生物活性物質、医薬品シードの創製をめざすものである。本年度は以下の課題(1)~(3)について主に検討した。 (1)γ-セクレターゼ阻害薬の立体化学研究及び合成研究 LY-411575の基本母核であるジベンゾアゼピノンの立体化学を明らかにした。この知見に基づき、類似骨格について立体化学を明らかにした。 (2)ACAT阻害薬の合成と立体化学の解明 ベンゾラクタム系化合物について軸不斉に基づく立体化学を明らかにした。この知見をもとに、強いACAT阻害作用を示す化合物を見出し、軸不斉と生物活性の相関を明らかにした。 (3)バソプレッシンV_1,V_2受容体拮抗薬の立体化学の解明 バソプレッシン受容体サブタイプであるV1aに強力でかっ選択性の高い1,5-ベンゾアゼピン誘導体を見出している。その立体化学を精査中である。
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